【現役管理者が本音】訪問看護の記録・書類は大変?種類と量、月末月初の残業、AI効率化まで解説

※ この記事は、現役で訪問看護の現場に立ち、スタッフの採用・教育や事業所の運営にも携わる立場から書いています(→ 運営者情報)。

「訪問看護って、記録や書類が大変そう…」——転職を考える人がよく口にする不安です。実際、訪問看護の残業の原因は、そのほとんどが書類仕事だと言っても過言ではありません。

ただ、これは「仕組み」と「効率化」、そして「職場選び」で大きく変わる部分でもあります。記録・書類の種類と量、月末月初のリアル、AIを使った効率化、そして意外な落とし穴まで、現役管理者の視点でお伝えします。

訪問看護の記録・書類は、主に4種類

現場の看護師がよく扱う書類は、だいたいこの4つです。

  • ① 訪問看護記録(Ⅱ):毎訪問ごとに作成。日々の記録
  • ② 訪問看護計画書(作成と評価):月に1回、必ず作成
  • ③ 訪問看護報告書:月に1回、必ず作成
  • ④ 看護サマリー:必要時のみ(入院などの際に、入院先へ情報提供する)

作業時間の目安はこんな感じです。

  • ①日々の記録:特に変化がなければ普段と同じような内容になるので、1件あたり5〜10分ほど
  • ②計画書・③報告書:それぞれ15分くらい(早い人で5分ほど)。これを患者数の分だけ毎月作るので、月末月初は膨大な作業になる

※ 本当に状態が落ち着いている方は、前月の計画書を「引用」して済ませることもあります。ただ、1から作るとなると、上記のイメージです。

日々の記録は「訪問時間の中」でやる

「①日々の記録はいつやるの?」とよく聞かれますが、訪問の合間や、訪問中に書くこともあります。記録もケアの一部なので、この記録時間も含めて「訪問時間」という扱いです。なので、日々の記録だけなら、そこまで大きな負担にはなりません。1日の流れの中での記録の位置づけは訪問看護師の1日のスケジュールでも触れています。

問題は、月に一度やってくる「あれ」です。

月末月初の「書類の山」が、残業の正体

はっきり言って、訪問看護の残業の原因のほとんどは、月末月初の計画書・報告書づくりです。患者数の分だけ作るので、件数を多く持っているほど、この時期は大変になります。

ただし、この負担は事業所がどう分担しているかで大きく変わります。

  • 患者数 ÷ 看護師数で平等に分担しているところが多い印象
  • 担当制の事業所では、自分の担当患者さんの分を作る
  • 管理者がすべて抱えることはまずないが、比較的自由に動ける時間があるため、管理者が他のスタッフより多めに処理することもある

ちなみに、訪問件数を詰め込みすぎると、この書類作業の時間が削られて余計に苦しくなります。件数と書類のバランスの話は訪問看護にノルマはある?1日の訪問件数のリアルもどうぞ。

効率化のカギは「音声+AI」

では、どう効率化するか。今、現実的なのは「音声入力+AIの自動作成」です。話した内容を音声で取り込み、AIが記録や書類の形に整えてくれる。これが、書類負担を大きく減らしてくれます。

なかには、大量の音声データを、少人数のバックオフィス側で代行入力しているような事業所もあります。こうした仕組みが整っているかどうかは、働きやすさに直結します。職場選びの際に「記録や書類の効率化に、どんなツールを使っていますか?」と聞いてみるのは、とても有効です。

記録が苦手だときつい?——本当の落とし穴は「こだわる管理者」

「記録が苦手だと、訪問看護はきついですか?」とよく聞かれます。でも、正直に言うと——苦手かどうかより、”記録にこだわりすぎる先輩・管理者”がいるかどうかのほうが、ずっと大きな問題です。

日々の記録から計画書・報告書の隅々まで、細かくチェックしたがる管理者がいます。このタイプに当たると、「やり直し、やり直し」で残業地獄になりかねません。記録の質はもちろん大事ですが、度を越したこだわりは、現場を疲弊させます。

だからこそ、入職前に「記録のチェック体制はどうなっているか」を確認しておくことをおすすめします。ここは求人票では分かりにくいので、見学や面接で空気を感じ取るのがコツ。管理者の質を含めた職場の見抜き方は訪問看護ステーションの選び方にまとめています。

まとめ

  • 主な書類は4種類:記録(毎訪問)・計画書・報告書(月1)・サマリー(必要時)
  • 日々の記録は訪問時間の中で。1件5〜10分ほどで、負担は大きくない
  • 残業の正体は、月末月初の計画書・報告書。分担方法で負担が変わる
  • 効率化は「音声+AI」が現実的。導入している事業所は働きやすい
  • 本当の落とし穴は「記録にこだわりすぎる管理者」。入職前に確認を

記録・書類は、訪問看護の避けて通れない仕事ですが、「仕組みが整った職場」を選べば、恐れるほどの負担にはなりません。AIの活用も進んでいます。書類の多さで訪問看護を諦めるより、「書類とどう付き合っている事業所か」で選ぶ——それが、長く快適に働くコツです。

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