※ この記事は、現役で訪問看護の現場に立ち、スタッフの採用・教育にも携わる立場から書いています(→ 運営者情報)。
「訪問看護の志望動機、何を書けばいいか分からない」「例文をそのまま使っていい?」——応募の前に、誰もがつまずくところだと思います。
この記事では、実際に採用・面接をしている立場から、「採用側が本当に見ているポイント」「やりがちな落とし穴」、そしてタイプ別の例文まで、本音でお伝えします。ここを押さえると、志望動機の通過率はぐっと上がります。
採用担当が志望動機で本当に見ている2つのこと
きれいな文章かどうか、ではありません。見ているのは、突き詰めるとこの2つです。
① 会社をどれだけ理解しようとしているか
一番見ているのは、**「うちの会社を、どれくらい知ろうとしてくれているか」**です。
- 理念や文化を理解していると感じさせる言葉が入っているか
- 最低限、ホームページを隅々まで見て、「自分が採用されたらどうなっていくか」までシミュレーションしてきているか
- その会社が他社と差別化している部分に言及し、共感しているか
そのうえで、「自分はこういう人間で、こうしたい・こうなりたい。それが御社の文化とフィットしている。だから御社じゃないとダメなんです」——この感覚が伝わると、採用側はかなり前のめりになります。
② 長く活躍し、職場に馴染めそうか
もう一つは、「長く続きそうか、職場に馴染めそうか」。
ここは正直、「仕事ができそうか」以外に判断材料がありません。うちの業務量に耐えうる地頭や、会話の理解度——そういう“活躍してくれそうな手応え”を、志望動機と面接から探しています。採用側は、すぐ辞めそうな人を一番避けたいからです。
要注意!やりがちな「志望動機の落とし穴」
ここが、この記事で一番伝えたいところです。良かれと思って書いた動機が、逆効果になるパターンがあります。
落とし穴1:「患者さんに寄り添いたい」だけ
これは一番よくある動機ですが、実は採用側は少し身構えます。理由は2つ。
- 「ゆっくり時間をかけたい=のんびり働きたい」という心理の裏返しかもしれないから。訪問看護は労働集約型のビジネスモデルで、件数をこなす現実があります。
- 患者さんや看護への想いが強すぎる人は、結局、同僚や上司と衝突したり、患者さんとトラブルを起こしたりする傾向がある——これは採用してきた実感です。
対策:「寄り添いたい」を使うなら、自分なりに“寄り添う”を定義すること。または具体的な行動で示すこと。「こういう場面で、こう関わりたい」と語れる人は、本物だと伝わります。
落とし穴2:「病院では忙しくて、寄り添えなかった」
これも非常に多い動機ですが、注意が必要です。
採用側からすると、「時間さえあれば、というのは甘えでは?」と見えてしまうことがあります。プロは、限られた時間とリソースの中で、一定水準以上の成果を出すもの。その前提が抜けた動機は、マイナスに働きかねません。
対策:過去の不満ではなく、**「在宅だからこそ実現したい、自分の看護」**を前向きに語る。訪問看護の現実(件数・労働集約型)を理解したうえでの動機にする。
刺さる志望動機の作り方(4ステップ)
- 会社研究:ホームページを隅々まで。理念・特徴・他社との違いを掴む
- シミュレーション:「採用されたら、自分はどうなっていくか」を具体的にイメージ
- フィットの言語化:自分が何をしたい・どうなりたいか × その会社の文化が重なる点を書く(=「御社じゃないと」感)
- 差別化への共感:その会社ならではの強みに触れ、なぜ惹かれたかを具体的に書く
タイプ別・志望動機のコツ&例文
⚠️ 例文は“型”です。丸写しはバレます(採用側は毎日読んでいます)。必ず会社研究の内容と、自分の言葉を入れてください。
未経験の場合
コツ:まず**「理念・文化への共感」を全力で**伝える。そのうえで、必要な知識・技術は「頑張って学びます。むしろ学びたい、ワクワクします」くらいの前向きさを。逆に、不安や「できないかも」を前面に出すと、入職後に壁へ当たったときにすぐ折れてしまいます。
例文:
貴ステーションの「[理念・大切にしている考え]」という方針に強く共感し、応募いたしました。ホームページを拝見し、[他社と差別化している取り組み]に力を入れておられる点に、私が目指したい看護の形を感じています。病棟で培った[経験領域]を土台に、訪問看護で必要な知識・技術は一から学ぶ姿勢で吸収し、ゆくゆくは[なりたい姿]として貢献したいと考えています。在宅ならではの学びに、今からとても楽しみにしています。
ブランクありの場合
コツ:国家資格を持つ者として、最低限の予習・復習・自己研鑽の意識を示すこと。「今までの経験だけでいける」と思っていない姿勢が伝わると強いです。
例文:
育児のため[期間]のブランクがありますが、復帰にあたり[予習・復習している内容]に取り組み、現場の感覚を取り戻す準備を進めています。貴ステーションの[理念・柔軟な働き方など]に共感し、家庭と両立しながら長く貢献できる環境だと感じ、応募いたしました。ブランクを言い訳にせず、自己研鑽を続けながら、[経験領域]の経験を活かして一日も早く戦力になれるよう努めます。
経験者の場合
コツ:何ができるのか、そしてその会社でどうなりたいのかを具体的にアピール。「どうなりたいか」には、文化へのフィットや成長意欲が自然とにじみます。
例文:
訪問看護で[年数]、[できること・強み]を担ってまいりました。貴ステーションが[差別化ポイント]に注力されている点に深く共感し、私の[強み]を活かして[どう貢献したいか]と考えています。将来的には[なりたい姿:管理/特定領域の専門性/教育など]として、貴ステーションの[文化・方向性]に沿って成長していきたいです。
まとめ:志望動機の核は「会社理解 × 自分のフィット × 具体性」
- 採用側が見ているのは、会社をどれだけ理解しようとしているかと、長く活躍し馴染めそうか。
- 「寄り添いたい」「病院では時間がなくて」系は、ありきたり&誤解されやすい。自分の言葉と具体性で差をつける。
- 例文は型として使い、必ず会社研究と自分の経験で肉付けする。
そして——刺さる志望動機の出発点は、会社研究です。理念や“本当の文化”は外から見えにくいもの。だからこそ、内部事情に詳しい転職サービスで会社の実態を掴んでから書くと、説得力が段違いになります。 → 訪問看護の転職に強いサイトを現役が比較
関連記事:
- 未経験から → 未経験から訪問看護に転職できる?
- ブランクから → ブランクありでも復帰できる?
- 仕事のイメージ → 訪問看護師の1日の流れ
よくある質問
Q. 志望動機はどれくらいの長さが良いですか? A. 300〜400字程度が目安です。長さより中身——会社研究と、自分の言葉での具体性が伝わるかが大事です。
Q. 給料や待遇を志望動機に書いていいですか? A. メインに据えるのは避けた方が無難です。「長く貢献したい」という文脈で、働き方の柔軟性などに触れる程度に留めましょう。
Q. 例文を丸写ししてもいいですか? A. やめておきましょう。採用側は毎日たくさんの志望動機を読んでいるので、テンプレ感はすぐ伝わります。型として参考にしつつ、必ず会社研究と自分の経験で書き換えてください。

コメント