※ この記事は、現役で訪問看護の現場に立ち、スタッフの採用・教育にも携わる立場から書いています(→ 運営者情報)。
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「育児や介護で何年も看護から離れていた」「もう一度働きたいけど、ブランクがあって不安…」——そんな思いでこのページを開いたのではないでしょうか。
先に結論を言います。ブランクがあっても、訪問看護に復帰することはできます。 それどころか、病院に戻るより復帰しやすい面もあると、採用・教育に携わる立場から感じています。
ただし、知っておくと有利になる“採用側のリアル”や、職場選びのコツもあります。きれいごとだけでなく、本音でお伝えします。
まず結論:訪問看護は「病院より復帰しやすい」
ブランク明けに一番ネックになるのが、「急な早退や休みで、職場に気まずい思いをするんじゃないか」という不安だと思います。
ここが、訪問看護の大きなメリットです。
病棟は、極端に言えば「看護師が何人いてなんぼ」の世界。一人抜けると現場が回らなくなることもあり、早退や急な休みがどうしても気まずくなりがちです。
一方、訪問看護は——
- 自分の担当訪問が終わっていれば、帰りやすい
- 管理者の手が空いていれば、残りの訪問を代わってもらって早退することもできる
だから、家庭の都合で早退や休みが必要になっても、罪悪感や気まずさが比較的少ない。家庭と両立しながら復帰したい人にとって、訪問看護は理にかなった選択肢だと思います。
ただし、知っておきたい「採用側のリアル」
ここは正直にお伝えします。知っておけば、対策できて有利になるからです。
採用の現場感覚として、ブランクから在宅医療に復帰しようとする応募は、全応募者の1〜2割かそれ以下という印象です。そして正直に言えば、よほど人手に困っている事業所か、急性期・救急の出身などで「バリバリ働けそう」「ストレス耐性が高そう」と感じられる人でないと、最初の印象で不利になることもあります。
さらに定着の傾向で言うと、ブランクから復帰して長く続いているのは、非常勤の方が多いです。常勤で採用された方は、結局また家庭の事情で休職・離職につながるケースが少なくありません。(これがブランクそのものが原因なのか、長いブランクを取る背景にある家庭事情が課題なのかは、一概には言えませんが。)
——ここまで読むと不安になるかもしれません。でも、だからこそ「賢い始め方」がある、という話です。
だからこそ、最初は「リハビリ感覚」で始めるのがいい
いきなりフルで飛ばすより、まずは慣らし運転から。これが、復帰を長続きさせるコツだと思います。
おすすめは、比較的訪問件数が少ない職場から始めること。給料はそれなりかもしれませんが、まずはリハビリ的に働いてみて、仕事と家庭がちゃんと両立できると確認できてから、ステップアップしていくのが安全です。
そのために職場で確認したいのが、急な休み・早退・遅刻にどれだけ寛容か。ただし、求人票や面接での言葉だけを鵜呑みにしないこと。実際にそういう働き方をしているスタッフがいるかどうかまで確認できると、なお安心です。
「非常勤」から始める、という入り方
さきほど「長く続いているのは非常勤の方が多い」と書きました。ここを、もう少し具体的にしておきます。
いきなり常勤で腰を据えるのが怖いなら、まず非常勤で入って、自分に合うか・家庭と両立できるかを確かめてから常勤を考える、という順番でもいいと思います。多くは事業所に直接雇われるパートの形なので、勤務の回数や曜日は相談しながら決めることが多いです。ただ、まれに「業務委託」で募集している事業所もあります。この形だと雇用保険や労災の扱いが変わるので、契約の種類だけは必ず確認してください。
ちなみに「まずふつうの派遣で訪問看護を試す」という入り方は、法律上できません。訪問看護は患者さんの居宅で行う看護なので、派遣が禁止されている仕事だからです。例外は、紹介予定派遣(数か月は派遣として働いて、お互いに合えば直接雇用に切り替わる形)と、産休・育休・介護休業の代わりなど、ごく一部だけです。
求人サイトで「訪問看護 × 派遣」と検索すると、件数自体は出てきます。ただ中身を見ると、紹介予定派遣だったり、訪問入浴に同行する看護師(こちらは法律上ちゃんと認められた働き方で、訪問看護とは別物です)だったり、併設の施設での勤務だったりします。「訪問看護ステーションに、ふつうの派遣で通う」形そのものは、原則としてありません。雇用形態の欄が「派遣」になっている求人を見つけたら、実際はどういう契約なのかを必ず確認してください。
ただ、看護そのものから何年も離れているなら話は別です。いきなり訪問看護はさすがに怖い、という人は、特別養護老人ホームやデイサービス、ショートステイなどで長期派遣を挟んで、看護の勘と生活リズムを戻してから訪問看護へ、という順番もあります。派遣で働けるのは特養・デイサービス・ショートステイ・保育園・障害者支援施設など。病院や診療所では働けませんし、同じ「介護」でも老健(介護老人保健施設)と介護医療院は病院と同じ扱いなので、ここも派遣では働けません。実際、病院 → 介護施設 →「なんか違うな」→ 訪問看護、という流れで来る人はかなり多いです。
では、派遣を挟んだ経歴は、採用でどう見られるのか。採用する側として、正直に書きます。派遣で短期間にあちこちを転々としている人は、ほとんどの場合、不採用になると思います。印象はあまりよくありませんし、入ってから長く働いてくれるのかが心配になるからです。
ただし、ブランク明けに「今の生活リズムに合うか」「長く続けられそうか」を確かめる目的で、入職前の半年〜1年ほど派遣で働いてきた、というなら話は別です。むしろ、かなり好印象です。長く勤められることを、行動で証明していることになるので、いい材料になります。
期間の目安は、半年から1年くらい。3か月なら、しんどくても頑張れてしまう期間だと思うからです。
実際に、そういう人はいます。長いブランクがあって、ずっと働きたいと思っていた。まずはリハビリとして派遣や非常勤で働いてみて、長く続けられると思えたので、念願だった訪問看護に応募した——という人です。こういう経緯で応募してくる人は、全応募者のうち体感で5%くらいです。
もうひとつ。難しいかもしれませんが、派遣で働いている間にリーダーを任されていたなら、それだけで「できる人なんだな」と思います。派遣の人にリーダーを任せたい、と思わせるのは相当なことです。
介護施設で働いてから来る人には、強みと気になる点があります。強みは、在宅医療にある程度触れてきているので、制度や社会資源を一部知っていること。一方で、ゆったりした働き方を求めて介護施設を選んだ人もいるので、仕事の精神的・身体的な負荷に耐えられるかは、採用する側としては確認したいところです。
逆に、ブランクが特にない人や、20代などまだ若い人は、この回り道をせずに早く動いたほうがいいです。間を空ける人には、入職後も休職や離職をするのでは、という懸念を持ってしまうからです。
派遣を挟むなら、探すのは同じ職場に半年〜1年くらい通う長期の派遣です。派遣会社を2つ載せておきます。どちらも長期の派遣を探すためのリンクなので、単発の仕事や、派遣以外の働き方を探している人には向きません。どちらを使うかは、働きたい場所に条件の合う仕事があるかどうかで選んでください。
看護から長く離れていて、長期派遣で慣らしたい人へ
スーパーナース
株式会社スーパーナース/単発ではなく、同じ職場に長期で通う派遣を探す
- 同じ職場に長く通うので、生活リズムごと慣らせる
- 常勤を決める前に、家庭と両立できる働き方かを確かめられる
- 探すのは「長期派遣」の仕事。単発だけ・正社員だけを希望する人には向きません
- 派遣先は特養やデイサービスなど。訪問看護の求人ではありません
訪問看護そのものは、法律上ふつうの派遣では働けません(紹介予定派遣などの例外だけ)。
北海道・関東・東海・関西・中国・九州で派遣として働きたい人へ
レバウェル看護の派遣
レバウェル株式会社/看護師の派遣を扱う(単発派遣はなし)
- 常勤を決める前に、派遣で生活リズムと家庭との両立を確かめたい人に
- 単発・日雇い(イベントやツアーの看護師など)や派遣以外の働き方を探している人、上の地域以外で働きたい人には向きません
- 派遣先の例は特養やデイサービスなど。訪問看護の求人ではありません
ブランク明けで一番きついのは「戻れなかったらどうしよう」という不安です。引き返せる形で始められるというだけで、最初の一歩はずいぶん軽くなります。実際、うちでも非常勤から入って、そのまま長く続けている人がいます。
ブランク復帰のフォロー・教育はどうなってる?
「ブランクがあるから、特別扱いで手取り足取り教えてもらえる」とは限りません。多くの職場では、ブランクの有無に関係なく、新入職と同じ教育プログラムに乗っていくのが実情です。
だからこそ、面接で確認しておきたいことがあります。
- 必要な技術レベルや種類を、面接の中ですり合わせておく。ここを向こうから確認してくれない職場だと、入職後に「できて当たり前」と思われてしまい、苦しくなりがちです。
- 自分の知識・技術や業務の習熟度を「見える化」している職場か。個別のフォローの仕組みを大事にしてくれる上層部・上司がいる組織は、会社にとっても従業員にとっても、いい職場だと言っていいと思います。
フォローの期間は、長くて半年程度を目安に考えてもらえるといいと思います。その時点でどうしてもうまくいかなければ、早めに見切りをつけるのも、自分を守るための賢い判断です。
つまずきやすいポイントと、乗り越え方
ブランク明けの方がつまずきやすいのは、主にこのあたりです。
- 技術とアセスメント(勘が戻るまで)
- 新しい薬の知識(ブランク中に変わっている)
- 家庭・プライベートとの両立、生活リズムに慣れるか
乗り越え方として、具体的なヒントを3つ。
① 不安が強ければ、まず非常勤(パート)から 状況が許すなら、いきなり常勤ではなく非常勤から入るのが安心です(どうしても常勤で、という事情もあると思いますが)。
② 自分の経験領域が活かせる職場に絞る 循環器・整形外科・呼吸器・脳神経外科——こうした自分の得意領域を活かせる職場を選ぶと、復帰のハードルが下がります。実は訪問看護にも、特定の領域(小児や精神など)に特化して患者さんを診ているステーションがあります。「この領域に強い看護師さんが欲しかった」と、入ってから歓迎されることも少なくありません。面接時に、自分の経験領域の知識・技術が活かせるか、その職場に需要があるかを確認してみてください。
③ 研修への費用補助を見る 自分を育て直すうえで、会社が自己研鑽にどれだけお金をかけてくれるかは重要です。「年間◯日までは日勤扱いで研修に行ける」「年間◯万円まで資格取得や外部研修に使える」など、具体的に確認できるといい。職場選びの軸は二つ。“今の自分にフィットする職場”を選ぶか、“入ってから必要水準に頑張って合わせる”か。後者でいくなら、なおさら会社の研修サポートが効いてきます。
【採用担当の本音】職場選びで一番見てほしいこと
最後に、これが一番大事かもしれません。
ブランク復帰で見るべきは、働き方の柔軟性と、寛容な風土があるかどうかです。
面接では、ぜひ突っ込んで聞いてみてください。
- 面接官の雰囲気はどうか
- 自分と同じような働き方をしているスタッフが、実際にいるか。いるなら、その人は実際どうしているか
- そして——「その働き方、私はいいかもしれませんが、周りのスタッフの反応はどうですか?」と聞いたとき、自信をもって“ウェルカムです”と言ってくれるか
結局のところ、職場は「人」です。いい雰囲気のところで働きたいですよね。ここを見極められると、復帰の成功率はぐっと上がります。
職場の“中身”や雰囲気は、外からは見えにくいもの。だからこそ、内部事情に詳しい転職サービスを使って、柔軟な働き方ができて、教育と風土のいい職場を探すのが安全です。 → 訪問看護の転職に強いサイトを現役が比較(“中の人がいる”ところを選ぶのが鉄則)
まとめ:ブランクがあっても、戻れる。鍵は「始め方」と「職場選び」
- ブランクからの復帰はできる。病院より戻りやすい面もある(早退・休みの気まずさが少ない)。
- ただし最初は無理をせず、件数少なめ・柔軟・寛容な職場で「リハビリ感覚」から。
- 自分の経験領域を活かせて、教育とフォロー、そして風土のいい職場を選べるかが、長続きの鍵。
一歩踏み出すなら、まずは“中の人がいる”転職サービスで、自分に合う職場(柔軟な働き方と教育体制のあるところ)を探すところから。 → 訪問看護の転職に強いサイト比較はこちら
よくある質問
Q. 何年ブランクがあっても復帰できますか? A. 年数で一律に決まるわけではありません。大事なのは、必要な技術を面接ですり合わせられること、そして教育・フォロー体制のある職場を選ぶことです。不安が大きければ、非常勤から慣らしていく方法もあります。
Q. パート(非常勤)から始められますか? A. はい。むしろブランク明けは、非常勤から始めて長く定着する方が多い印象です。まずは無理のない働き方で、両立できるか確認するのがおすすめです。
Q. 子育てと両立できますか? A. 訪問看護は、自分の担当訪問が終われば帰りやすく、早退・休みの融通が利きやすい働き方です。ただし職場差が大きいので、「実際に両立しているスタッフがいるか」を必ず確認してください(→ 訪問看護はきつい? / 未経験から訪問看護に転職できる?)。


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